
近年、巧妙化する証券口座の乗っ取り被害が多発しています。
SBI証券での不正アクセス事例を基に、最新の手口を解説し、個人投資家が取るべき具体的な対策を紹介します。
自身の資産を守るために、今すぐできることを確認しましょう。
数百万円の被害も!証券口座乗っ取りの現状
相次ぐ不正アクセスとその手口
中国株を大量に購入
Y各所ニュースで報道されているように、証券口座の乗っ取りは依然として深刻な問題です。
不正アクセスによる被害は後を絶たず、多くの投資家が金銭的な損失を被っています。
特に注目すべきは、不正ログインを通じて中国株が大量に購入される事例です。
これは単なる資産の盗難に留まらず、株価操縦というより深刻な犯罪に繋がる可能性を秘めています。

セキュリティ対策の綻びが狙われる
不正アクセスは、巧妙な手口を使い分け、様々な脆弱性を狙って行われます。
個人情報の管理を怠ったり、セキュリティ対策が不十分だったりすると、誰でも被害に遭う可能性があります。
そのため、一人ひとりがセキュリティ意識を高め、適切な対策を講じることが不可欠です。
不正アクセスを防ぐためには、まずその手口を知り、具体的な対策を実践する必要があります。
SBI証券における不正アクセスの詳細

攻撃者は、SBI証券を装った偽のメールを送りつけ、顧客を偽のログインページに誘導し、IDやパスワードを盗み取ります(フィッシング詐欺)。
また、パソコンやスマホをマルウェアに感染させ、キーボード入力情報や画面の内容を盗み見ることで、口座情報を入手することもあります。
SBI証券は、これらを受け、二段階認証の導入や、不正ログイン検知システムの強化など、様々な対策を講じています。
また、顧客自身も後述のような自衛策を講じることが重要です。
狙われやすい人の特徴
セキュリティ意識の低い投資家
セキュリティ意識の低い投資家は、残念ながら犯罪者にとって格好の標的となります。
特に、安易なパスワードを設定している場合や、複数のサービスで同じIDとパスワードを使い回している場合は、非常に危険です。
なぜなら、一つのサービスから情報が漏洩した場合、他のサービスも芋づる式に不正アクセスされる可能性があるからです。
フィッシング詐欺に引っかかりやすい人
巧妙に偽装されたメールやウェブサイトに騙され、個人情報や口座情報を入力してしまうと、不正アクセスの被害に遭うリスクが高まります。
さらに、OSやソフトウェアのアップデートを怠っている人も、脆弱性を突かれて攻撃を受ける可能性があります。
これらの特徴に当てはまる投資家は、今すぐセキュリティ対策を見直す必要があります。強固なパスワードを設定し、二段階認証を設定し、不審なメールやSMSには注意し、OSやソフトウェアを常に最新の状態に保つなど、できることから対策を講じましょう。
自身の資産を守るためには、セキュリティ意識を高め、常に最新の情報に注意を払うことが不可欠です。
巧妙化する手口
フィッシング詐欺とマルウェア
偽装メールによる個人情報詐取

金融機関を装って受信者を偽のログインページへと誘導します。
そこでIDやパスワードを入力させて、個人情報を盗み取るのが典型的な手口です。
巧妙な点は、文面やデザインが本物と区別がつかないほど精巧に作られていることです。
ロゴやレイアウトだけでなく、緊急性を煽るような文言を用いることで、受信者を焦らせ、冷静な判断を鈍らせます。
フィッシング詐欺メールの特徴
例えば、
「アカウントがロックされる可能性があります」
「不正アクセスが確認されました」
といったメッセージで不安を煽り、すぐにログインするように促します。
このようなメールに騙されないためには、常に冷静さを保ち、URLのドメイン名やメールアドレスを注意深く確認することが重要です。
また、少しでも不審に感じたら、安易にURLをクリックしたり、個人情報を入力したりせずに、金融機関の公式サイトから直接ログインするようにしましょう。
マルウェア感染による情報漏洩

金融機関を装って受信者を偽のログインページへと誘導します。
そこでIDやパスワードを入力させて、個人情報を盗み取るのが典型的な手口です。
キーボードの入力情報を記録
マルウェアに感染すると、そのリスクは計り知れません。
マルウェアは、キーボードの入力情報を記録したり、画面の内容をキャプチャしたりする機能を備えている場合があり、これによりIDやパスワード、クレジットカード情報などの重要な情報が盗み取られる可能性があります。
特に、オンラインバンキングや証券取引など、金銭に関わる情報を扱う際には、マルウェア感染による情報漏洩は深刻な被害をもたらします。
メールやWEBサイトが感染源
マルウェアは、メールの添付ファイルや、不正なウェブサイトを通じて侵入してくることが多く、セキュリティ対策ソフトが導入されていないパソコンやスマートフォンは、特に感染のリスクが高くなります。
また、マルウェアは、感染したことに気づきにくいように、巧妙に隠蔽されている場合もあります。
そのため、定期的にセキュリティ対策ソフトでスキャンを行い、マルウェア感染の有無を確認することが重要です。
万が一、マルウェアに感染してしまった場合は、速やかに専門業者に相談し、適切な対応を行うようにしましょう。
脆弱性を突いた不正アクセス
OSやソフトウェアには、セキュリティ上の弱点、つまり「脆弱性」が存在する場合があります。
攻撃者は、この脆弱性を悪用してシステムに侵入し、不正な操作を実行したり、情報を盗み取りします。
個人レベルでも、脆弱性を放置していると、パソコンやスマートフォンが乗っ取られ、個人情報が盗まれたり、不正なプログラムがインストールされたりする可能性があります。
OSやソフトのアップデートを!
脆弱性対策として最も重要なのは、OSやソフトウェアを常に最新のバージョンにアップデートすることです。
アップデートには、脆弱性を修正するためのセキュリティパッチが含まれており、攻撃を防ぐことができます。
また、セキュリティ対策ソフトを導入し、常に最新の状態に保つことも重要です。
マルウェアの侵入を防ぐだけでなく、脆弱性を悪用した攻撃を検知し、防御する機能も備えています。
今すぐできる!
証券口座乗っ取り対策
二段階認証の設定

IDとパスワードに加えて、もう一つの認証要素を組み合わせることで、セキュリティを格段に向上させる有効な手段です。
たとえIDとパスワードが何らかの手段で盗まれてしまったとしても、二段階認証を設定していれば、不正にログインすることは非常に困難になります。
二段階認証の認証要素としては、スマートフォンに送信される認証コードや、専用の認証アプリなどが一般的です。
SBI証券をはじめとする主要な証券会社では、二段階認証が提供されているので、必ず設定するようにしましょう。
二段階認証の設定方法は、各証券会社のウェブサイトやアプリで確認できます。
強固なパスワード設定と定期的な変更
パスワードは、あなたの口座を守るための最初の砦です。
推測されやすいパスワードや、他のサービスで使い回しているパスワードは、簡単に破られてしまう可能性があります。
パスワード設定のポイント
- 8文字以上の長さにする ・大文字、小文字、数字、記号を組み合わせる
- 誕生日や電話番号、住所など、個人情報に関連する単語は避ける
- 辞書に載っている単語は避ける
- 他のサービスで使用しているパスワードとは異なるものにする
また、パスワードは定期的に変更することも重要です。
少なくとも3ヶ月に1度は変更するようにしましょう。
不審なメールやSMSへの警戒
すぐにURLはクリックしないでおく

金融機関を装ったメールやSMSに記載されたURLは、絶対にクリックしないようにしましょう。
また、個人情報の入力を求められた場合は、それが本当に公式サイトであるかを確認することが重要です。
URLやSSL証明書を確認
URLのドメイン名や、サイトのSSL証明書を確認することで、公式サイトであるかどうかを判断することができます。
SSL証明書は、ウェブサイトのアドレスバーに表示される鍵のマークをクリックすることで確認できます。
金融機関の公式サイト、アプリから直接ログインするようにしましょう。
また、金融機関の公式サイトに掲載されている注意喚起情報にも目を通しておきましょう。
セキュリティソフト導入とアップデート
セキュリティソフトを導入することで、不正なプログラムの侵入を防ぎ、個人情報やデータを守ることができます。
ソフトは日々更新されており、最新の脅威に対応できるようになっています。
アップデートを欠かさずに
アップデートには、セキュリティ上の脆弱性を修正するためのパッチが含まれており、攻撃を防ぐことができます。
定期的にセキュリティスキャンを実行し、マルウェア感染の有無を確認することも重要です。
身に覚えのない取引の監視
すぐに証券会社に連絡を
定期的に取引履歴を確認することは、不正な取引を早期に発見するために非常に重要です。
身に覚えのない取引があった場合は、すぐに証券会社に連絡しましょう。
取引履歴を確認する際には、取引日時、取引金額、取引内容などを注意深く確認しましょう。
証券会社は、不正な取引であるかどうかを調査し、必要に応じて取引を停止したり、資金を回収したりするなどの対応を行います。
不正取引による損失の補填も
また、不正な取引による損失を補償してくれる場合もあります。
万が一、不正な取引に遭ってしまった場合は、警察にも届け出るようにしましょう。
日頃から取引履歴を定期的に確認し、不審な点があればすぐに証券会社に連絡することが、被害を最小限に抑えるために重要です。
まとめ:
油断せずセキュリティ対策を
他人事ではない!できることから対策を
証券口座の乗っ取り被害は、手口がますます巧妙化しています。
SBI証券の事例からも明らかなように、セキュリティ対策を怠ると、大切な資産を失う可能性があります。
今回ご紹介した対策を参考に、今一度ご自身のセキュリティ対策を見直し、徹底的に強化しましょう。
- 二段階認証の設定
- 強固なパスワードの設定と定期的な変更
- 不審なメールやSMSへの警戒
- セキュリティソフトの導入とOSのアップデート
- 身に覚えのない取引の監視
知識と情報も絶えずアップデートする
常に最新のセキュリティ情報に注意を払い、新たな脅威に対応できるよう、知識をアップデートすることも大切です。
セキュリティ対策は、一度行えば終わりではありません。
継続的に対策を講じることが、大切な資産を守るために不可欠です。
油断せずに、セキュリティ対策を徹底し、安全な投資環境を維持しましょう。

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